■五島の海は「想像以上」
大手企業を早期退職し千葉から妻と移住した「釣り体験民泊みさき丸」の松本隆三さんは「景色の美しい島はたくさんあるけど、大型スーパーや総合病院、複数の各種クリニックが揃っていて、インフラが整っている島はそうはない。五島は釣りの聖地とも呼ばれていて、釣り好きにはたまらない地」。松本さんを追って、息子夫婦、そして息子さんの妻の妹も移住。
「五島ごと芋」の冷凍焼き芋などを取り扱う会社「ごと」の安達真美さんも、21年から五島暮らし。海のきれいさは想像以上で「感動しかない。せかせかしない、本来の生き方ができているように思います」。
五島でのワーケーションの企画・運営を担う「一般社団法人みつめる旅」代表理事の遠藤まめこさんが言う。
「今回、朝ドラで取り上げられることで、五島の魅力が広まればと、五島のみなさんも盛り上がっています。個人的にアピールしたいところでは、五島で生産しているお米がつやつやしていて本当においしいんです。五島牛も五島ワイナリー醸造ワインもぜひ味わってほしい。『舞いあがれ!』の放映が始まる秋は、五島のベストシーズンです」
■“芋たこロス”の人も
“おまけ”として、田幸さんから一言。
「“芋たこロス”の人も、『舞いあがれ!』を」
06年放映の朝ドラ「芋たこなんきん」がBSプレミアムで再放送。作家の田辺聖子さんの半生と数々のエッセイ集がベースで、当時47歳の藤山直美さんが主演。06年には話題にならず、DVD化もされていなかったが、再放送でファンになった人が9月17日の最終話以降、嘆きの声をSNSで上げているのだ。
「『芋たこ』と『舞いあがれ!』はどちらもNHK大阪放送局制作。『舞いあがれ!』の予告を見ていたら、『芋たこ』で火野正平さんが着けていたタコのエプロンが出てきたんです。『芋たこ』の“浪速大学附属病院”と、『舞いあがれ!』の“なにわバードマン”も関連がありそう! そんなドラマ好きをうまくくすぐってくれるシーンがところどころある。朝ドラオタクほど楽しめます」(田幸さん)
明日から、朝はテレビの前に正座か。(ライター・羽根田真智)
※AERA 2022年10月10-17日合併号