第二に霊感商法と言えない献金搾取をどうするのかという点だ。旧統一教会ではこれまで壺をはじめとする物品を販売する霊感商法を繰り返していたが、09年に特定商取引法違反の疑いで教会と関連のある印鑑販売会社社長らが逮捕されて以降は、資産の献金や寄付が多くなったとされている。公益法人法の第17条には寄付や献金について、無理強いや寄付者に著しい不利益を与える寄付を禁じており、この法を参考に宗教法人にも献金のルールを作っていくべきだという。

 第三に金銭的搾取を繰り返す団体をどう規制するかという点で、宗教法人法の解散命令にはその前提に、違法行為を繰り返す宗教法人やその役員に文科省や都道府県が質問やデータの提出を命じることができる質問権がある。これまで解散命令が下された2例ではこれが使われていないが、旧統一教会に対しては、まずは質問権によって組織的な金銭搾取の構造などを調査し、その結果に応じて解散命令請求につなげるべきだという。

「フランスの反セクト法については賛成・反対という極端な議論ではなく、どの部分を現行法に取り入れ問題を解決していくかという視点を持つべき。金銭的搾取の予防や被害者の救済、違法な団体の税制優遇をなくすために建設的な議論をしていくことが必要です」(菅野氏)

 問題解決への道のりは平坦ではなさそうだ。(本誌・佐賀旭)

週刊朝日  2022年10月14・21日合併号