
「浪速のロッキー」こと俳優・赤井英和さん(63)のボクサー時代を描いたドキュメンタリー映画「AKAI」が9日から公開される。息子・赤井英五郎監督(27)によって、壮絶な生きざまとともに、いま家でチャーハンを作り、皿を洗う父としての素顔も映し出される。最近、赤井さんの日常は妻・佳子さん(56)のツイッターでも話題だ。結婚30年目になる二人に、映画を観ながら、夫婦の歩みを振り返ってもらった。
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──出会いは1992年ごろ。知り合いから「友達に紹介するよ」と言われた佳子さんは、二人で赤井さんが泊まっている都内のホテルに行った。当時、赤井さんはドラマ「東京エレベーターガール」に出演中。しかし佳子さんは元ボクサーであることも、俳優であることも知らなかった。
佳子:初めて会ったとき、赤井は真っ暗な部屋の中からフルチンで出てきたんです。
英和:その日は雨で撮影がいきなり休みになったんですよ。うわー、どないしよ、冷蔵庫のビールとりあえず飲んだろうか、って全部飲んで。で「一緒に飲みましょうよ」って知り合いに電話したんだけど、オレ一人でいっぱい飲んで、そんまま寝てしもてたんです。佳子ちゃんたちが部屋をノックしてもピンポンをしても出てこない。で、フロント行ってホテルの人に開けてもらったら、もう浴衣もはだけて、前丸出しでボーッとしたワシがいてたと。
佳子:もうグチャグチャで「この人、どうなっちゃったの?」って思いました。でも、どうしてかまったくわからないんだけど、一目惚れだったんですよね。なんかすごいオーラがあったんです。
英和:僕も胸の鈴がリンリンって鳴りまして。
佳子:うそ! それ取材で何十回も言っているけど、絶対、会ったとき覚えてないよね。
英和:僕ずっと「東京スポーツ、東京スポーツ」って言ってたんですって。そしたら佳子ちゃんが夜中に東スポを持ってきて、ドアの下に入れてくれたんです。