■お酒をやめると体の負担が減る
現在は桜井さん同様、お酒を飲みたいとは特に思わない。
そんななか、「サケビバ!」というビジネスコンテストが国税庁の主催で行われていることを知った。これは、縮小する国内の酒類市場に危機感を覚えた国税庁が主に若年層にお酒を消費してもらい業界の活性化を図ることが目的だ。酒税の増収を狙ったものといえそうだ。
これに対してソバキュリアンの桜井さんは、「お酒もドラッグの一種だという欧米では常識とも言える認識が欠けています。もちろん、飲酒が合法であることに異存はないですが、合法であることと推奨することは大きく違います」と語気を強める。
「サケビバ!」を主催する国税庁に質問すると、
「若年層にお酒をすすめているわけではありません。酒類業界の活性化や関連業界に資するビジネスプランのコンテストです。活性化には数を消費するだけでなくブランド価値を上げる意味もあります。若者に考えていただくのですが対象はすべての世代です」
あくまで目的は、業界の活性化だという。
では、お酒と健康について、医師の浅部伸一さんにご意見を伺おう。
浅部さんは『酒好き医師が教える 最高の飲み方』と題する書の監修をしているくらいお酒が好きな医師である。専門は肝臓病学、ウイルス学である。
「お酒を飲まないことで体に負担がかかることはありません。より健康的に生活できると思います。医師としては積極的にお酒をすすめることは躊躇(ちゅうちょ)しますね」
そう浅部さんは口を開いた。
浅部さんは前記の書のタイトルに「酒好き医師が教える」とあるとおり、お酒は好きでよく飲むという。これまで飲まない時期はあったが、本気でやめようと思ったことはないそうだ。飲んでも軽く酔う程度で、酔うために飲まないし、それほど量は飲まない。
ソバーキュリアスについて浅部さんはこう話す。
「これまでたくさんお酒を飲んでいた人がお酒を断つというのではなく、少しくらい飲んでいたけど、やめたら調子がよかったので、そのままやめてしまった人だろうと思いますね」