そんななか、2020年ごろから2世自身がネットなどで漫画や書籍を発表し始めた。その一人が漫画家の菊池真理子さん。14歳のときに亡くなった母親は創価学会の熱心な信者だった。
「母からは、怒ったり人の悪口を言ったりすると仏罰が下ると教えられてきた。価値観に常に罪と罰がともない、過剰にいい人になろうとする感覚が自分の生きづらさにつながっていた」
そんな2世が抱える問題を『「神様」のいる家で育ちました~宗教2世な私たち~』に描き、発表。10月、文藝春秋から出版される。
「自ら信仰に入った人は、あるときハッと目が覚めて、元の自分に戻ることができる。でも、2世には元の自分がない。戻るべき自分がわからないことが何よりつらいのです」(菊池さん)
(編集部・古田真梨子)
※AERA 2022年9月5日号より抜粋