
「家財」を補償の対象に含めると、家具やテレビなどの家電類、自転車や原動機付き自転車(総排気量125cc以下)が対象となる。
さらに、トイレやシステムバス、キッチンのような固定されている物も「建物の一部」とみなされるので水浸しになるなどして使えなくなったら修繕できる。
近年は、屋根の上に太陽光パネルを設置している家も多いだろう。ほかにも、敷石や庭木も建物の一部として補償の対象に含まれるという。
注意が必要なのは、老朽化で生じた建物の隙間などから雨水が入り込み、家財に被害が出たケース。
「建物の経年劣化によって、水濡れなどの損害が発生した場合は、補償の対象にはならないので注意しましょう。また、老朽化で家に隙間ができてそこから雨水が吹き込み、室内に損害が生じた場合も火災保険の風災とみなされません。定期的な住宅のメンテナンスで損害を防止しましょう」(清水さん)
例えば、前述の女性宅のケースでは、家財を保険の対象として契約をしていると、ベランダに置いていたテーブルや椅子などが台風などで被害を受けた場合、補償される。しかし、窓を開けっ放しにして外出したことで、雨水が室内に入り、家具や家電が使えなくなってもそれは補償の対象にはならない。
「結局、水浸しになった家具などは自費で買い替えました」(女性)
次は、「水災」について見てみよう。近年「線状降水帯」などが起こりやすくなったことで、どの地域に住んでいても「水災」に遭う危険度は高まった。
「水災」は台風や暴風雨などによる洪水、高潮、土砂災害などで、家屋や家財が損害を受けた際に補償される。
床上浸水を受けた場合、あるいは床下浸水でも地盤面から45センチを超えて浸水すると水災補償の対象になる。土砂災害などの被害を受けたときは、建物を新しく建築したり、購入したりするときに必要な「再調達価額」の30%以上の損害を受けた場合に保険金が支払われる。