週刊朝日 2022年9月9日号より

 特に住まいが「全壊」「大規模半壊」「中規模半壊」と判定された世帯では、「被災者生活再建支援制度」による支援金が支給される。

週刊朝日 2022年9月9日号より

 支援金は住宅の被害の程度に応じて支給され、「基礎支援金」が最大100万円。住宅の再建方法に応じて支給される「加算支援金」は最大200万円、合計最大300万円受け取れる。

「生活再建のための資金なので、持ち家の世帯だけでなく賃貸住宅に入居している世帯も支援の対象になります。また、支援金の使途は定められていないので、当面の生活費としても利用できます」(同)

 自宅が被災したらできるだけ早く修理をして、安心して住めるようにしたい。

 災害救助法が適用された地域では「住宅の応急修理制度」が利用できる。

 都道府県または市区町村の自治体が、業者に修理を委託し、修理代金は直接業者に支払われる仕組みになっている。事前に修理をしてしまい、後日連絡をすると修理代が減額される恐れがあるので利用する際には注意が必要だ。

■自分でも一定の備えをしておく

 冒頭の女性は、職場が休業したため、収入が一時的に途絶えたことが最も困ったという。

 勤務先が災害により休業して、給料の支払いがストップした場合は、特例措置として雇用保険の基本手当(失業給付)の支給がある。

 該当するのは勤務先が、災害救助法が適用された市区町村内にあり、被災により休業したため、一時的に離職を余儀なくされた人、離職前の事業主に再雇用される予定のある人が対象になる。

 一方で、勤務先が災害の影響で倒産して、給料などが未払いのまま退職した場合は、「未払賃金立替払制度」が利用できる。未払い賃金総額の80%を限度に、国から立て替え払いが受けられる(退職日の年齢による限度額がある)。

「職場が被災したため、給料が支払われなくなり、被災により家計が急変し、税金や公的医療保険、水道光熱費などの公共料金やNHKの受信料の支払いが難しくなったというケースも出てくるでしょう。無理に支払おうとしなくても、支払いの減免や期限の延長などの措置が受けられます。絶対に高利子のキャッシングや消費者金融などでお金を借りてはいけません」(同)

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