下地幹郎氏
下地幹郎氏

 前出・地元メディア関係者がこう語る。

「米軍基地が水際対策の抜け穴となって感染が拡大した経緯もあるのですが、コロナ対策では失敗しています。また、政府は現在、石垣島や宮古島など南西諸島で陸上自衛隊のミサイル基地配備を急ピッチで進めていますが、玉城氏はこれまでほとんど関心を向けてきませんでした。今回、陸自の南西シフトに対して、『地域に分断を持ち込む』として『強行配備に反対』と政策に明記していますが、対応が遅過ぎます。宮古・八重山の住民からは厳しい声が聞かれます」

 米中間の軍事的緊張の高まりが、予期せぬ戦争を引き起こす恐れがある。東シナ海や南シナ海で艦船同士の衝突など偶発的な事故を機に戦闘に及べば、南西諸島のミサイル基地が標的になるだろう。住民を巻き込んでの「第二の沖縄戦」が起きかねない。

 前出・前泊氏が危機感を示す。

「沖縄が戦闘に巻き込まれる可能性は、どのくらいあるのか。中国との外交による対話を進めていくことが大事です。私たちは、市民レベルでも対話チャンネルをつくろうとしていますが、そのくらい大変な状況です。しかし、そうした危機感が3人の候補に共通してないのです。いま、沖縄では20代、30代の若い人材が育ってきています。4年後、8年後には世代交代が進むでしょう。次につなげる知事選と位置付けたい」

 下地氏は辺野古の軟弱地盤の埋め立ては必要ないとして、すでに埋め立てられた区域にオスプレイを移駐させるという。普天間飛行場の危険性除去のために、馬毛島(鹿児島県西之表市)への訓練移転を主張する。

 10月23日投開票の那覇市長選では、オール沖縄は前県議の翁長雄治氏を擁立した。雄治氏は故・翁長雄志前知事の次男。自民推薦の副市長、知念覚氏との一騎打ちとなる見込みだ。翁長氏の県議辞職に伴い、知事選と同じ9月11日に県議補選の投開票が行われる。この県議補選を巡って、沖縄政界は混沌とした状況を呈している。

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オール沖縄陣営も分裂