オンライン会見に臨んだ岸田文雄首相。自身の熊本後援会長が旧統一教会の関連団体のトップを務めていたと週刊文春が報道したことについて、団体が旧統一教会に関連しているとの認識が後援会長になかったなどと述べた
オンライン会見に臨んだ岸田文雄首相。自身の熊本後援会長が旧統一教会の関連団体のトップを務めていたと週刊文春が報道したことについて、団体が旧統一教会に関連しているとの認識が後援会長になかったなどと述べた
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 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家の関係が注目されている。全国霊感商法対策弁護士連絡会で被害者救済に取り組む紀藤正樹弁護士と元信者の仲正昌樹・金沢大学教授が意見を交わした。AERA 2022年9月5日号の記事を紹介する。

【図】旧統一教会をめぐる動きはこちら

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紀藤:旧統一教会(世界平和統一家庭連合)やその関連団体と何らかの関係があった政治家の名前が、次々と明らかになっています。ただ、疑惑の目を向けられた多くの議員の説明の中身については「不十分さが否めない」が率直な感想です。

 政治家と旧統一教会の関わりについて、私たち全国霊感商法対策弁護士連絡会は「それが被害者にとってどう問題か」で考えています。関わりを批判する際に党派性は関係ありません。どの政治家にも、旧統一教会や関連団体へ電報を打つ行為やシンポジウムへの参加、関係メディアに寄稿するなど「広告塔となり得る行為」について関わりを持たないでほしい旨の申し入れをするなどしてきました。

■「与野党ともごく少なかった」(紀藤正樹)

 岸田文雄首相は内閣改造の記者会見で「(旧統一教会に)仮に法令から逸脱する行為があれば、厳正に対処する」と踏み込みました。これを私は評価します。しかしその後、関係が明るみに出た政治家で「今後は関係を見直す」と言う方はおられたものの、旧統一教会の反社会性についてきちんと触れ、「厳正に対処」にまで言及した方は与野党ともにごく少なかった。

 自民党の萩生田光一政調会長も同様です。霊感商法の問題は過去に知っていて、その後はないと思っていたけど報道で改めて問題があることを知ったと。説明の合理性は置くとしても、現在の教団の反社会性に目を向けられているのであれば、はっきりと決別の態度を取らないといけないと思いますし、厳正な対処という言葉が出てこない。反社会性に対する認識が甘いのか、反社会性をわかっているのに旧統一教会と関わっておられたのか、いずれにせよ、その説明が不十分です。

仲正:私は大学に入学してから11年半ほど統一教会の信者で、多額の献金やさまざまな詐欺まがいの行為については当時から聞いていました。政治家たちが旧統一教会に祝電を送ったりしたことは広告塔効果があったとみなされてもしかたないと思います。関連団体であっても、天宙平和連合(UPF)や現在の国際勝共連合などは旧統一教会系の団体とみなさざるを得ないと思います。

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