「ここの銭湯はほぼ毎日来ていますよ。サウナに入るのは週に2~3回だけど。それほど混んでないからゆっくり入れるのがいいね」
自転車で銭湯に来た東京都世田谷区の60代の男性はニコニコと話してくれた。となりでは銭湯仲間の友人がほほ笑みながら話を聞いている。
「銭湯に入って、その日が終わる感じだね。一日の締めと自分へのご褒美だよ」と同世代の友人も話す。
サウナが人気になって久しい。今では専門の施設や個人向け、アウトドアでのサウナなど、花盛りである。そんな中、「銭湯サウナ」が一歩進んだサウナーたちの間で注目されている。
そこで、サウナと銭湯、この二つを足した銭湯サウナの楽しみ方をプロのサウナーである「濡れ頭巾ちゃん」にじっくり聞いた。
まず、濡れ頭巾ちゃんとは何者であるか。
濡れ頭巾ちゃんは、保育園のとき、親にサウナに連れていってもらい、そこでサウナを初体験し、サウナに目覚めた。小学校3年のときに、サウナの中で濡れたタオルを頭からかぶると気持ちよいことを発見、それ以来「濡れ頭巾ちゃん」として今日にいたる。サウナの熱いも、水風呂の冷たいも知る、筋金入りのプロのサウナーである。
さて、そんな濡れ頭巾ちゃんが編み出したサウナ満喫法とは?
「体を洗った後、まず水風呂に入ります。僕はこれを『水通し』と呼んでいます。それからサウナ室に入り、温まったら水風呂に入って休憩。それを3回繰り返します」
水通し? サウナは汗をかくために入るのに、水風呂で体を冷やすとはどういうことだろう。
「特に夏などは体が温かいままなのでサウナに入っても、あまり気持ちよさを感じません。それで先に水風呂に入ってからサウナに入ると心地いいことを発見したんです。今まで以上の快感、つまり“ととのった”のです。水通しは“ととのい”のための最短テクニックで、1回目からガツンとととのうのです」
と自信満々に話してくれた。