大倉山ジャンプ競技場(札幌市)に設置された五輪のシンボル
大倉山ジャンプ競技場(札幌市)に設置された五輪のシンボル
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 2030年冬季五輪の招致を目指す札幌市。決まれば1972年大会以来、58年ぶり2度目の祭典となる。だが、東京五輪組織委元理事が収賄スキャンダルで逮捕される事態が勃発し、関係者は戦々恐々。賛否渦巻く招致活動の現状を探った。

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「東京五輪の関係でこういう出来事が起きたことは極めて残念だ」

 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長は8月17日、報道陣にこう絞り出した。この日、東京五輪・パラリンピック組織委員会元理事で大手広告会社・電通元専務の高橋治之容疑者が、大会スポンサーの紳士服大手「AOKIホールディングス」からスポンサー選定などをめぐって計5100万円の賄賂を受け取ったとして、受託収賄容疑で逮捕されたのだ。

 山下氏は札幌市が招致を目指す2030年札幌冬季五輪については、「影響ができるだけ出ないように全力を尽くしたい」と述べるにとどまった。

 30年冬季五輪の開催地は現在、札幌のほかに米国のソルトレークシティーやカナダのバンクーバーなどが名乗りを上げている。12月には国際オリンピック委員会(IOC)が最優先候補地を絞り込み、来年5~6月にインド・ムンバイで開かれるIOC総会で正式決定する見通しだ。目下のところ、札幌が「最有力」との報道もあったが、今回の逮捕劇がどう影響するかは未知数だ。

 そもそも、札幌市は以前から「五輪招致への市民の関心が低い」という悩みを抱えていた。市が3月に郵送で実施した意向調査では、開催に「賛成」「どちらかといえば賛成」とした割合は52%(「反対」「どちらかといえば反対」は39%)と、辛うじて5割を超えていた。ところが、北海道新聞が4月に実施した世論調査では五輪招致反対が57%(賛成42%)と、逆の結果が出てしまった。市の調査では賛否を問う質問の前に開催に関わる前向きな計画などを繰り返し説明しており、これが賛否を歪めたのではないかとの指摘もある。

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