いつの間にか友達が増え、彼女もできた。今はもう孤独ではないし、元に戻ることはないと思う。
大和さんの将来の夢は、ヨーロッパで暮らすこと。日本人学校で、教員として働きたいと思っている。
最近、職員室で隣に座っているベテランの先生に、思い切って自分の過去の話をしてみた。するとその先生はこう言ってくれた。
「そんな経験をしている人が教員になるって、素敵なことだよ」
学校には不登校の生徒もたくさんいるが、大和さんには誰よりも彼らの気持ちがわかる。
「あの辛い経験が役に立って良かったと、心の底から思います。子どもたちの味方になってあげるのが、自分の使命だと思っています」
(取材・文/臼井美伸)
臼井美伸(うすい・みのぶ)/1965年長崎県佐世保市出身、鳥栖市在住。出版社にて生活情報誌の編集を経験したのち、独立。実用書の編集や執筆を手掛けるかたわら、ライフワークとして、家族関係や女性の生き方についての取材を続けている。ペンギン企画室代表。http://40s-style-magazine.com
『「大人の引きこもり」見えない子どもと暮らす母親たち』(育鵬社)https://www.amazon.co.jp/dp/4594085687/ref=cm_sw_r_tw_dp_x_fJ-iFbNRFF3CW