「目を凝らしても、ない」なぜか荷物はロンドンへいってしまった　コロナ禍のロストバゲージ

「バンクーバーにあるかもしれません。仮にあったとしても、いまはコロナで減便で……。早くて明日の夕方かと……」

　コロナ禍の旅はつらい。

　いつもそうなのだが、成田のホテルに自主的に2、3泊する。万が一、家族に感染させてはという思いがあるからだ。

　翌朝、連絡が入った。

「荷物はロンドンにいっていました。フィンランド航空でヘルシンキ経由で届くという連絡が。明日の朝になってしまいます」

　しかし2日目にも荷物は届かなかった。届いたのは3日後。それまで着替えはできなかった。日本の寒さがつらかった。

■下川裕治（しもかわ・ゆうじ）／1954年生まれ。アジアや沖縄を中心に著書多数。ネット配信の連載は「クリックディープ旅」（毎週）、「たそがれ色のオデッセイ」（週）、「沖縄の離島旅」（毎月）、「タビノート」（毎月）。

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