「問題を受け取って解答を送った学生の端末からアカウントを特定し、プロバイダーを割り出し、そのプロバイダーからIPアドレス、ログを取って接続端末を割り出し、端末利用者、つまり犯人を割り出す、という流れになる。事件の行為は、試験の公正性が失われた、試験実施者である大学入試センターの業務を”偽計”によって妨害したという構図になる」
しかし懸念されるのは、「依頼主」の素性がそもそも偽装されている可能性が高いことだ。家庭教師サイトにもクレジットカードが登録されているが、別人で登録している可能性もあり、さらに使用履歴がなければたどるのに時間がかかる可能性もある。
警視庁は試験会場周辺の防犯カメラの解析も進め、問題を撮影した人物の特定を急ぐとともに、ネット上の犯人の痕跡を追っている。
事件の舞台が多くの受験生が参加した大学入学共通テストだけに、誰が何のためにやったのか。真相の解明が望まれる。 (野田太郎)