![松下洸平 [撮影/木村哲夫、ヘアメイク/KUBOKI(Three PEACE)、スタイリング/丸本達彦(UNFORM)、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO、衣装協力/コート、カーディガン、Tシャツ、パンツ/cantate、靴/Scye]](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/d/2/683mw/img_d2080ba7823b4db90e844e0bb831d20468202.jpg)
とくにここ数年はコロナの影響もあってか、割とポジティブな曲を作ることが多い気がします。日々、制限された中で皆さん過ごされていると思うので、僕の音楽を聴いたり、ライブに来て楽しんでもらいたいなと思って。今はポップなもののほうがきっと、楽しく、いやなことも忘れられるんじゃないかな。
そういう意味で、服部さんには遠く及ばないですが、見習いながらも共感する部分はありますね。
──昨年はシングル「つよがり」でメジャーデビューされました。「つよがり」なところはある?
僕、あんまり強がらないんですよ。普段はすごく、自分に正直な生き方をチョイスしています。
あ、でもあんまり弱音は吐かないかな。特に仕事現場では。もちろん疲れたな、と思うときはありますけど、口にしてしまうと、脳みそが一気にそれを自覚してしまいそうな気がするし、周りにも伝染してしまうので。
現場でご一緒した先輩たちも、雰囲気を明るくしてくれるような人ばかりでした。そういった先輩方の影響を自然と受けているかもしれません。
──先輩からアドバイスをもらうことも?
芝居で悩んでいたとき、朝ドラ「スカーレット」で共演したマギーさんが、「でもさあ、ハチには音楽があるじゃん」って言ってくださったんです。ちなみに、彼は今でも僕のことを役名(十代田八郎)になぞらえて、「ハチ」って呼ぶんですけど。そう言ってもらったとき、僕をミュージシャンとしても見てくれているんだ、でも、音楽を逃げ道にするのはよくないな、とも思えたんです。マギーさんはそれを見越して言ってくださったと思うので、その一言は心強かったです。
──画家を母に持ち、自身も美術の道を目指していた高校時代、映画「天使にラブ・ソングを2」を見て、歌手を志すようになったとか。
偶然、テレビで放送されていたのを見たんです。高校生がゴスペルを通じて、自分で未来を切り開く物語でした。当時同じ高校生だった僕は、美術の世界でこのまま一生やっていくと思っていたんですけど、明確な夢やビジョンはなかったんですよね。だからずっとグラついていた部分もあって。
そういうときだったから、この映画にすごく共鳴してしまったんです。それまで、歌ったこともなかったのに。