立憲民主党の泉健太代表(右から2人目)、逢坂誠二代表代行(右)、西村智奈美幹事長(同3人目)、小川淳也政調会長
立憲民主党の泉健太代表(右から2人目)、逢坂誠二代表代行(右)、西村智奈美幹事長(同3人目)、小川淳也政調会長

「(維新は)大阪でカジノつくるとまだ言っている。カジノより介護と私は言ってきた。だが、強行されようとしているので、止めたい。政治の力が必要です」

 日本維新の会の幹部は辻元氏の参院選への参戦についてこう突き放す。

「衆院では勝てないから参院の比例代表に逃げたようにも見えますね。目立つ辻元氏が参院選出馬となれば、明確なターゲットになるので選挙が戦いやすい。辻元氏がいるところを攻撃すれば、いいんです。事実、衆院選では勝ちましたからね。負けたばかりなのにすぐに参院選なんて、よく言いますわな」

 また、自民党幹部も手厳しい。

「立憲民主党も落選した辻元氏に頼らねばならないほど党勢がないという裏返しです。確かに一定の浮動票は取れるでしょうが、今の泉代表など執行部はまったく、怖くない。それより大阪では維新、東京では小池新党に警戒ですよ」

 立憲民主党の中には、以前から全国的に知名度が高い、蓮舫氏を参院東京選挙区ではなく、比例代表で擁立するという話がある。昨年の衆院選で、東京8区で立憲民主党の吉田はるみ衆院議員の擁立が計画された中、れいわ新選組の山本太郎代表も出馬表明し、どちらが野党共闘の候補者となるか、もめたことは記憶に新しい。

「その時、党で検討されたのが、東京8区は山本氏に譲る。吉田氏は参院東京選挙区から擁立し、蓮舫氏は比例代表にまわり全国を遊説し、党勢拡大に貢献してもらうというウルトラCでした。辻元氏と蓮舫氏は親しい関係です。蓮舫氏も比例代表というプランが再燃する可能性もあります」(前出の立憲民主党幹部)

 すでに鉄道系の労組が、辻元氏をバックアップする体制になっているという。立憲の比例代表で知名度ある候補者は、辻元氏しかまだ決まっていない。

「辻元氏の個人票が増えて、他の労組系候補者の票が減る危惧もあります。辻元氏は人気はあるが、攻撃もされやすいタイプ。SNSで叩かれてマイナスにならないかと心配する声も党内であります。しかし、そこを考えても最終的には辻元氏の出馬はプラスになるはずです」(同前)

(AERAdot.編集部 今西憲之)

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今西憲之

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大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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