AERA 2022年2月7日号より
AERA 2022年2月7日号より

「何をどうするか考えるという一番難しく、しんどい部分がすべて現場任せ。なぜダメだと学校が判断したのか、いちいち説明しなければいけない。上が基準をわかりやすく示してくれれば保護者にも説明しやすいのですが……」

■職場継続は「二段構え」

 ただ、現実には「現場で対応」というケースが増えている。大阪府教育委員会は26日、府立学校で陽性者が出た場合の濃厚接触者の特定を各学校が判断するよう変更。保健所の判断を待つ間の臨時休校を減らすことが狙いだというが、現場からは不安の声が上がっている。

 少しでも日常を維持するために、何ができるのか。経済活動を継続するカギとなるのがBCP(事業継続計画)だ。

 経団連は会員企業にBCPの点検を要求したが、何を見直せばいいのか。ミネルヴァベリタス顧問で信州大学特任教授の本田茂樹さんは、「防災」と「BCP」の二段構えが必要だと説明する。

「人や建物などの経営資源を守る防災が第一に重要です。地震なら耐震補強、水害なら避難。感染症の場合は、予防対策をまず考えてください」

 医学的な知見も必要になるため、産業医や提携する医療機関などの医師への相談も大切だという。

「欠けた資源をいかに補うかがBCPです。感染症は人を介して広がるので、感染疑いが出た場合は職場から離れてもらう選択肢を取り、代替要員に置き換えるのが一番の戦略。個人情報の問題もありますが、子どもの休園や親の介護などで出勤できなくなるスタッフが何人いるのかなども事前に把握して備えたほうがいいでしょう」(本田さん)

(編集部・福井しほ)

AERA 2022年2月7日号より抜粋

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福井しほ

福井しほ

大阪生まれ、大阪育ち。

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