■大変でも舞台が大好き

――舞台ならではの喜びは「お客様に直接、手渡しできること」。それは何物にも代えがたく、「大変でも舞台が大好き」と話す。そんな丸山の舞台中の「必需品」は意外なものだった。

丸山:初めてストレートプレイをやったときの演出家、G2さんに教えてもらった長い早口言葉が必需品です。それをやると滑舌(かつぜつ)がよくなる。今回は特にまくし立てるところもあるので、より研磨させなきゃなと。早口言葉の中身はね、言いづらい言葉ばっかりが羅列してあるんですけど……(と、1分近く披露。終わるとスタジオが拍手に包まれた)。ありがとうございます。最初に必死で覚えたんで。あと、「ぬ~べ~」(主演したドラマ「地獄先生ぬ~べ~」)の呪文も忘れてないです(笑)。

――自身にとって「愛とはなにか」を投げかけてみた。

丸山:求めないことかなぁ。一時期、加島祥造さんの『求めない』という本を読んでいたので、まんま受け売りなんですけど(笑)。ヘドウィグはプラトンの「愛の起源」に紐づいて、自分の失ったカタワレ(愛)を探していますが、僕が自分のカタワレだと思うのは、これはもう本当にファンの方々。自分の合わせ鏡なんです。自分のメンタルがあんまりよくない時は、同じように悩んでいる人が多くて、明るく変わったら、やたらと「陽」な人が来てくれるようになった。今はね、幅広い方が応援してくれています。年齢とともに僕が多面的になったのかな。ヘドウィグでまた新たな一面を感じてもらえたらうれしいですね。

(構成/ライター・大道絵里子)

AERA 2022年2月7日号

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