ワクチン3回目の接種が行われる東京・千代田区の自衛隊大規模接種会場に、視察のため到着した岸田文雄首相/1月31日
ワクチン3回目の接種が行われる東京・千代田区の自衛隊大規模接種会場に、視察のため到着した岸田文雄首相/1月31日

 研究チームは解析結果から「BA.2の方がBA.1よりも感染がより速く広がりやすい」と結論づけた。

 これに先立ち、デンマーク国立血清研究所は、予備的な分析では、「BA.2の方がBA.1よりも約1・5倍、感染が広がりやすい」と発表した。

 ただし、同研究所によると、これまでのところ、入院が必要になるなど重症化する割合は、BA.1もBA.2も変わらないとみられるという。

 一方、英国の健康安全保障庁によると、既存のワクチンがこれまでの変異株に比べて効きにくく、感染や発症を防ぐ効果が低下するという特徴は、BA.2もBA.1と同じだという。発症を防ぐ効果は、2回目接種完了から25週間以上経った後では、BA.1が9%だったのに対しBA.2は13%、3回目の追加接種から2週間後にはBA.1が63%、BA.2は70%と差はなかった。

 オミクロン株は当初、新規感染者の増加が速い一方で、ピークに達して減るのも速く、流行は比較的短期間に収束するのではないかと考えられていたが、BA.2系統が増えてきているデンマークや英国などでは減り方が予想よりも大きくない。BA.2系統の増加で、流行が予想より長引く可能性がある。(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)

AERA 2022年2月14日号