※写真はイメージです(写真/Getty Images)
※写真はイメージです(写真/Getty Images)

 しかし思春期や青年期は夜遅くまで勉強をしたり、友だちと連絡を取り合ったりして、夜更かしをしてしまいがち。

 質のいい睡眠を確保するために、夜6~8時間は連続して眠ること、土日や長期休暇中も生活リズムを維持して、昼夜逆転の生活にならないようにすることが大切です。

■ストレスとの関係

 10代に入ると、ただ無邪気に遊んでいればよかった幼いころとは違って、受験勉強をしなければならなかったり、人間関係が複雑になったりして、ストレスを感じることが増えます。

 とくに「いじめ」は、いじめられる側にとって大きなストレスであり、精神疾患の発症要因にもなっていることが、数多くの研究で明らかになっています。

 ストレスが大きくなりすぎてその人の許容範囲を超えてしまうと、不安や不眠、うつ状態などの症状が現れ、精神疾患に発展することも珍しくありません。

『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より
『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より

 たとえば子どもがクラスメートからいじめを受けていた場合――子どもは親の顔色を見ますから、本当はつらくて学校なんか行きたくないのに、親を気遣ってけなげに登校していたりします。でもそんな状態が続けば、心は壊れてしまいます。子どもの心が悲鳴を上げているなら、思い切って転校するなど、子どもをストレスから切り離す必要があるでしょう。

『心の病気にかかる子どもたち』(朝日新聞出版)より抜粋

水野雅文(みずのまさふみ)
東京都立松沢病院院長 1961年東京都生まれ。精神科医、博士(医学)。慶應義塾大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。イタリア政府国費留学生としてイタリア国立パドヴァ大学留学、同大学心理学科客員教授、慶應義塾大学医学部精神神経科専任講師、助教授を経て、2006年から21年3月まで、東邦大学医学部精神神経医学講座主任教授。21年4月から現職。著書に『心の病、初めが肝心』(朝日新聞出版)、『ササッとわかる「統合失調症」(講談社)ほか。

暮らしとモノ班 for promotion
「集中できる環境」整っていますか?子どもの勉強、テレワークにも役立つ環境づくりのコツ