「日本チームを応援して下さっている全ての皆様」という書き出しで、「今回、私の男女混合団体戦での失格で日本チーム皆んなのメダルのチャンスを奪ってしまったこと、そして、今までチームを応援してくださった皆様、そこに携わり支えて下さった皆様を深く失望させる結果となってしまった事、誠に申し訳ありませんでした。私の失格のせいで皆んなの人生を変えてしまったことは変わりようのない事実です。謝ってもメダルは返ってくることはなく責任が取れるとも思っておりませんが今後の私の競技に関しては考える必要があります。それ程大変なことをしてしまった事深く反省しております。そして、私のせいでメダルを取れなかったにも関わらず、最後の最後まで支え続けてくれた有希さん、幸椰さん、陵侑、そして日本チームのメンバーの皆さま、スタッフの皆さまには感謝してもしてきません。こんな私を受け入れてくれて本当にありがとうございました。この度は本当に申し訳ありませんでした」

 何度も謝罪を繰り返す文面に心が痛む。最後に続けた。

 「私が言える立場ではない事は重々承知の上で言わせていただけるなら、どうかスキージャンプとゆう素晴らしい競技が混乱ではなく選手やチーム同士が純粋に喜び合える場であってほしいと心から願います」

 高梨を何度も取材したテレビ関係者はこう語る。

「高梨さんが愛される理由はただ強いからではなく、純粋で謙虚な姿勢が変わらないからだと思います。メディア対応も丁寧で結果が悪くても真摯に対応してくれる。今回は辛い結果になってしまいましたが、激励のコメントがネット上で多く見られる。ただ、W杯、4年後の五輪に向けてすぐに気持ちを切り替えられるとそうではない。引退も頭をよぎっているかもしれません。私はもちろん次回の五輪の舞台で活躍してほしいという思いはありますが、今の高梨さんに『頑張れ』という言葉は苦しめてしまうように感じる。リフレッシュも必要でしょう。スキーから離れて1人の時間を与えた方がいいと思います」

 高梨が築いたキャリアは色褪せない。これは間違いない事実だ。

(竹下嘉男)

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