当事者同士ではすぐ解決した一方で、「有吉の言うことは正しい」と“信者”ともいえるファンが過剰に持ち上げてしまったことで、騒動が複雑になった面もある。一部のファンは徹底的に有吉を擁護し、「この“芸”がわからないのは素人だ」と揶揄するような意見をSNS上にアップしたのだ。こうした風潮に対し、民放バラエティー班のプロデューサーはこう分析する。
「有吉さんには苦労人のイメージがあるので、『どんな毒舌でも愛があるはずだ』と思ってしまうのでしょう。さらに彼が放つブラックな笑いは、誰もが乗っかりたくなるほどの妙な説得力があるので、深く考えずに『有吉さんがそう言うなら正しいはずだ』と便乗してしまう人が多いのも事実です。有吉さんが他者を一刀両断したとき、それに乗っかることでお笑い通ぶれますし、センスの良さすら演出できる。そのため、言葉の善悪はあまり深く考えず、同調する人が多いのではないでしょうか」
■売れているのにギャラは高くない
ただ、ファンの過剰な反応はさておき、しばらくは有吉の天下が続きそうだ。別の放送作家はこう証言する。
「有吉さんはここ数年、ラジオ番組でお笑いの賞レースの優勝者を事前に予想して見事に的中させていますが、まだ売れる前の若手芸人のネタをチェックしたり、頭角を現しそうなタレントをチェックするなど、勉強家として知られています。最近も『もう中学生』さんのブレークに一役買いました。こうした一面は業界内でも広く知られており、そのぶん発言の影響力も大きい。また、能力はもちろんのこと、ギャラの安さも無視できません。テレビ黄金期から活躍している“BIG3”やとんねるず、ダウンタウンと、その下の世代にはギャラ格差があるのですが、有吉さんは売れてからもそれほどギャラを上げておらず、局側としてはお得感があるんです。本人の意向なのか、所属事務所の戦略なのかはわかりませんが、それも重宝されている理由のひとつです」