AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:自他共に認める変わり者です。恋愛となるとなかなか合う人がいなく、このまま孤独になってしまうのではないかと不安になります。相手に合わせた接し方をするとそれが伝わりなかなか相手が心を開いてくれません。変わり者の恋愛の仕方、相性のよい人はどんな人でしょうか。(女性/受付/25歳/いて座)
A:この相談をいただいて、なんだか勝手に嬉しくなってしまいました。それは「個性」がすごく見えたから。
10代や20代のときの個性には、「何が許せないか」が強く出ます。例えばアイドルやタレントについても好きか嫌いかがはっきりしてる。だんだんそこから年を取ると、「箱根もいいけど鎌倉もいいね」なんて言えるようになってくる。それが大人になったときだし、言い換えれば個性を失うときとも言えるかもしれません。「何でお前鎌倉なんか行くの」みたいに嫌いなものを撲滅しようとするのが若いときの個性。自分にも他人にも場所にも、好き嫌い、許せる許せない、美しい美しくないという視線を向けがちです。だから「相手に合わせるコミュニケーション」についての20代の悩みは、大人が思うより真剣な悩み事のはず。
恋愛というものには「攻撃性」と「許し」の両方があると僕は思っています。20代の時は許せないものが同じ人同士がつるみやすい。「あいつ何なの」とか「私はこういうのが許せない」というものがガチッとはまると、熱愛関係に発展します。この「許せない連盟」が攻撃性ベースの恋愛です。でもそういう相手と出会うまでが結構難しくて、何か事件や事故がないとそこまでの仲に発展しにくい。
もう一つの「許し」の恋愛は、いきなりぶった切らない関係です。「この人はちょっと問題があるけど、話し合って解決していこう」「この人ちょっと苦手だけど悪い人じゃないからなぁ」と思えることも、一つの許しの形。