「FUYUTSUKI -PARTY-」の降矢まさき氏(撮影/写真部・張溢文)
「FUYUTSUKI -PARTY-」の降矢まさき氏(撮影/写真部・張溢文)
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 今、ホスト業界は過去に例をみない「バブル」状態にある。2000年頃のいわゆる“ホストブーム”の頃でさえ、1億プレーヤーはごく一握りだったが、現在は年間数億を売り上げるホストが数多くいる。そんな中で昨年、史上最高の年間売り上げをたたき出したホストがいる。その額5億2000万。なぜそんなケタ違いの額を稼ぎ出せるのか。日本一のホストとなった「FUYUTSUKI -PARTY-/-KARMA-」の降矢まさき氏(32)に、ホストになった理由から1日数千万を稼ぐ接客術まで、赤裸々に語ってもらった。

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 これまでのホストの年間最高売上額は3億3000万。2019年に降矢氏と同じ「冬月グループ」の先輩・渋谷奈槻氏が樹立したものだ。昨年、降矢氏はこれを1億9000万も更新して、歴代NO.1ホストとなった。

 冬月グループは23店舗のホストクラブを経営する巨大組織。降矢氏はそのうちの「PARTY(パーティー)」と「KARMA(カルマ)」に在籍するホストで、その2店舗合計の個人売り上げで記録を更新した。

 手の甲までタトゥーが入り、写真からは一見コワモテな雰囲気も伝わってくるが、取材で目の前に現れた降矢氏は腰が低く、語り口調も丁寧な好青年だった。時折見せる笑顔は「かわいい」という形容がしっくりくるほど。こうした見た目としぐさのギャップも客の心をとらえているのだろう。

 一方で、性格は「負けず嫌い」だといい、ずっとトップを取りたいという思いは強かったという。

「ホストの世界はNO.1がすごく細分化されているんです。店舗、グループごとにそれぞれトップがいて、指名数や売り上げも日ごと、月ごとに分かれて数字を競い合っている。そうした“小さいNO.1”がたくさんある中で、誰からもケチをつけられないのは、年間売り上げの過去最高額を塗り替えることだろうと思っていました。毎年11~12月くらいに次年度の目標を立てるのですが、おととしの時点で社長(渋谷氏)の記録を超えたいというイメージは持っていました」

 昨年の1日の最高売り上げは、バースデーイベントでの6300万だという。記録更新がかかった昨年12月に、1人の女性が支払った額だというから驚きだ。ホストクラブで客が支払う金のほとんどが酒代だ。高級ブランデーの中にはボトル1本で数百万するものもある。そのほか、グラスをピラミッドのように重ねてシャンパンを注ぎこむ「シャンパンタワー」も、高い酒を注文すれば、1000万を超えることもあるという。

 降矢氏にどういう方法でそんな大金を払ってもらったのか聞くと「もう、ひたすら頼み込んだだけです」と笑顔で話すが、年間5億も稼ぎ出すための努力は並大抵のものではないだろう。

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ホストの前は「トビ職」の現場仕事