※写真はイメージ(gettyimages)
※写真はイメージ(gettyimages)
この記事の写真をすべて見る

 2月22日開幕の舞台「陰陽師 生成り姫」で主人公・安倍晴明を演じる三宅健。自身が晴明を演じる意味、舞台を生きるという感覚とその醍醐味について語った。AERA 2022年2月28日号の記事を紹介する。

【写真】蜷川実花が撮った!AERAの表紙を飾った三宅健はこちら

*  *  *

――約1年ぶりの舞台となる「陰陽師 生成(なまな)り姫」で、主人公・安倍晴明を演じる。

三宅:原作である夢枕獏さんの『陰陽師 生成り姫』は、安倍晴明の無二の友である源博雅が主役であってもおかしくない内容です。読み手の方は博雅に感情移入して読み進めていくお話です。なので、上演が決まった時、脚本のマキノノゾミさん、演出の鈴木裕美さんとの間では、「僕が博雅を演じるのがいいのでは」という話もあったそうです。でも、安倍晴明という人は頭脳明晰で冷静沈着で、決して軸のぶれることのないキャラクター。そんな安倍晴明が博雅のために感情が発露する物語を描くことで、僕がやる意味があるのではないか、と話がまとまったようです。だから、僕も博雅という友が唯一の弱点であるような、人間味ある新たな安倍晴明像を見せることができたらいいなと思っています。

――演出家・鈴木裕美とのタッグは4度目となる。

三宅:裕美さんは僕がどんな人柄でどんなお芝居をするかを理解してくださっていると思います。僕自身も裕美さんのことを理解しているつもりです。なので、特に新しくコミュニケーションを取ることはないと思っています。でも、毎回自分自身がどれだけ成長できているかを稽古場で試されているような緊張感があります。和の時代ものはこれまで裕美さんとはやったことがないので、それも楽しみですね。

■狩衣を普段着にしたい

三宅:狩衣(かりぎぬ)は以前「羅生門」の時に着たことがあるんですが、所作が難しいです。その狩衣を再び着て、背筋が伸びるような気持ちになりました。烏帽子(えぼし)はかぶったことがなかったのですが、あれだけの高さのものをかぶって生活していたのは大変だなと思いました。馴染ませるために狩衣や烏帽子を普段着にして生活を送りたいと思ったのですが、さすがにそれは難しいです(笑)。現代人が狩衣を着ているように見えるのではなく、少しでも平安という時代を身にまとって舞台に立てるよう努力したいと思っています。

次のページ