久本雅美(撮影/中西正男)
久本雅美(撮影/中西正男)

 今回の「毒薬と老嬢」では70歳くらいかな、それくらいの役をさせてもらうんですけど、以前から私がずっと言ってる目標が「生涯現役」なんですよね。70代になってもまだまだ元気でいたい。そして、お客さまの前に立っておきたい。それは改めて思います。

 たまにね、本当にたまにですよ、ものすごく忙しくて疲れてきたら「沖縄でも行って、ゆっくり暮らそうかな……」と思ったりもするんです。でもね、自分で分かってるんです。そうやったらやったで「やっぱり動いておきたい」となるんです。だったら、ずっとやり続けるしかない。生涯現役が結局自分にとって一番良いことなんですよね。

 そうなると、ますます体が資本です。いつ病気になるか、事故に遭うか。これは誰にも分かりません。なりたくて病気になってる人も、事故に遭ってる人もいないわけですから。

 そらもうね、自分でも感じますよ。年々衰えていることは間違いないと(笑)。

 ちょっとしたことですけど、朝起きたら軽いストレッチから始める。白湯を飲む。食後にサプリメントを飲む。冷たいものは飲まない。そういうことを50代半ばくらいからですかね。少しずつやるようになってきました。若い頃は「そんなこと知るか!」と好きなように飲んで騒いでましたけど(笑)。

 そしてね、今思っているのは自分の代表作というかね、自分だけできる独り芝居みたいなものをやってみたいなと。それは既にスタッフさんとも話しています。

 それをやりながらテレビもメディアもやらせてもらい、その結果“THE久本雅美”みたいなものができたらなと思っています。集大成と言うような大層なものではないんですけど、ライフワーク的にじっくりできたらなと。

 最終的にはそんなことをやりながら、舞台を終えて家にスタッフさんや役者さんを集めてワイワイお酒を飲んで「今日も面白かったなぁ」と酔っぱらう。みんが楽しく騒いでいる中で「ちょっと横になってくるわ」と言って、気づいたらそのまま人生の幕を引いてる。そんなのが理想やなと思います。「またね」みたいな感じで。

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いつまでも走り回って面白いことがしたい