※写真はイメージです (GettyImages)

 マンションは毎年、大量に供給される。少子高齢化で供給過剰になると榊さんはみる。ただ、駅近でないマンションでも、利便性を重視しない人にとっては狙い目かもしれない。「安く買いたい人には、買いやすい状況が続いている」(櫻井さん)。将来、売る気も、貸す気もない人には安心して買える物件といえるだろう。

 当然ながら、立地がいいマンションは値段も高い。最近のマンション価格は都市部を中心に高騰している。昨年の東京23区の新築マンション平均価格は8千万円を超えた。全国平均も5115万円と過去最高。資材価格や人件費などの上昇が価格を押し上げている。さらに、国際的に日本のマンション価格はまだ割安なため、海外からの投資資金も入っているという。

「いまは価格の上昇期。値段の上がるものは売り控えられてしまう」(同)

 価格高騰で「最近の新築マンションはどんどん狭くなっている」(同)。代表的なファミリー向けマンションは3LDKの間取りで、かつては75平方メートルくらいが標準だった。いまは65平方メートルくらいという。狭くても住みやすく工夫されている。しかし購入する際は、設備などに十分注意してほしいと櫻井さんは話す。

 一つが「柱の外出し」と呼ばれるもの。柱が部屋の内側に出ていて半畳分ほどもスペースをとられてしまう。柱が出ていると、家具の配置が難しくなるなど使い勝手が悪くなる。まずは柱の外出しがあるか確かめたい。

◆勝手に交換NG 窓の断熱性注意

 次に、玄関からリビングまでの廊下の長さ。部屋などが狭くなるので、廊下は短いほどいい。

 キッチンはリビングにうまく取り込まれていると、空間を広く使える。注意したいのが、オープンキッチンがリビングから丸見えでも、見苦しくないかどうか。

 具体的には、キッチンのカウンターが家具のように部屋と一体化しているといいと櫻井さんはアドバイスする。御影石や大理石のカウンターは高価だが、天然石の粉を混ぜたプラスチック素材の人工石でも、グレードの高いものは見栄えがいいという。

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