◆管理組合に借金見つけた場合は
具体的に、総会議事録で何を確認すればいいのか。土屋さんは、まずは管理組合の活動が活発かどうか、1年間に何回ぐらい理事会を開催しているか確認したほうがいいとアドバイスする。
「どんな小規模なマンションでも、2カ月に1回くらいか、できれば毎月くらいが望ましい」(土屋さん)
さらに、決算状況をみると、「借金をしている管理組合もあります」(同)。通常、大規模修繕は12~13年ぐらいで実施することが多い。5~7階建てで50世帯ぐらいとして、1世帯当たり平均120万~150万円、全体で6千万~7500万円かかるという。
積立金が低水準だと不足し、「1回目の大規模修繕で借り入れをする管理組合が後を絶ちません」と土屋さんは話す。管理組合が借金を抱える物件を買ってしまうと、前オーナーの借金を背負う形になってしまう。もし借金が見つかれば、価格交渉したほうがいいだろう。
一方で、決算や予算を見て、剰余金がいくらあるのかも確認したい。
「1戸あたり100万円あればいいと言われています」(榊さん)
たとえば、地震など自然災害で修繕が必要になっても、1戸あたり100万円程度の剰余金があれば、臨時徴収せず対応可能とされる。
中古物件で問題になるのが雨漏りだ。榊さんは、総会議事録を見れば、雨漏りの修繕をしているかわかるという。
「築10年ぐらいで雨漏りしているのは、施工に問題があると考えられます」(同)
マンションは新築、中古にかかわらず、管理費が必要になる。土屋さんは「どんなサービスをしているのか確認してほしい」と話す。
具体的には、管理人が通勤(日勤)か、巡回管理なのか。たとえば、巡回管理で月1、2回くらいしか管理会社の人が来ないのは「ほとんど無人管理と同じ」(土屋さん)。
一方、通勤でも、平日の週5日、朝から夕方までと思っていたら、午前中だけのこともあるという。週に何日、どれぐらいの時間帯で管理人がいるか調べておきたい。
さらに、管理人といっても、管理会社ではなく、派遣会社の社員のことも多いという。派遣会社から曜日によって違う人が来ることもあるという。