
さらに、狭いマンションだと、収納スペースを削られやすい。ウォークインクローゼットのような大型の収納だけでなく、小規模な収納が各部屋にあるとベストだ。
リビングに古新聞を積み上げたり、掃除機を置いたり、小物も置いたりしたくなるが、表に出したままだと、部屋が片付かなくなる。そうしたちょっとしたものを収納できるスペースがあるかもチェックしたい。
あまり知られていないが、戸建てと違い、マンションの窓は共用部であるため、勝手には交換できない。最近は断熱性に優れたペアガラスなど、高機能のものが増えている。一方、中古マンションの窓は、板ガラスが1枚だけで、冬に結露し、水滴が垂れて壁などが腐りやすくなるものもある。窓を交換したくても管理組合の承諾が必要だ。特に中古マンションの場合は、窓の断熱性に注意すべきだと櫻井さんは言う。
新築マンションを購入する際は、モデルルームを見に行くことも多い。しかし、「モデルルームは嘘ばっかり」と榊さんは注意を促す。
インテリアコーディネーターが部屋の雰囲気をつくり、並べてある食器やお洒落な家具などをつい見てしまい、良い印象になりがちだ。間取りについても、「自分が買う予定の間取りと違うものを見ても意味がない」(榊さん)。
さらに、新築マンションの場合は、広告宣伝に多額の費用をかけており、素人には豪華に見えることが少なくない。広告宣伝費は1戸あたり100万円もかけているという榊さんは「がんがん広告されると、いい物件と思ってしまう」と話す。
管理組合の運営状況のチェックが重要と話すのは、不動産コンサルティングの「さくら事務所」(東京都渋谷区)でマンション管理コンサルタントをしている土屋輝之さん。
「買った後は、マンションをどう管理するかが重要な課題になる。新築は未知数ですが、中古は確認できるのが最大のメリット」(土屋さん)
管理組合の総会議事録には、過去1年の決算や今後1年の予算案などが書かれている。榊さんによると、区分所有法で、その物件を買おうとする人も利害関係者となり、議事録の閲覧を請求できるという。
仲介業者に頼めば手続きをしてくれる。問題ない物件であれば、通常は管理組合を通じてコピーなどを送ってくれる。面倒がる仲介業者もいて手数料をとられることもあるという。購入を検討している物件の総会議事録は、ぜひ見ておきたい。