
落語家として芸能の世界に入り、今ではお茶の間の人気者となった笑福亭鶴瓶さん。脚本家・中園ミホさんを交えた、作家・林真理子さんとの鼎談も大盛り上がり。自身の結婚やお芝居に対するスタンスなど、意外な一面を見せてくれました。
【笑福亭鶴瓶が語る「大阪人のたしなみ」一回ウケたらからんでこない?】より続く
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林:私、驚いたんですけど、このお忙しさの中、年間100席以上も独演会をなさってるんですね。
鶴瓶:去年も百なんぼかやりました。今度、弟子の会で師匠(六代目笑福亭松鶴)のおはこの「らくだ」をやってくれと言われて、3月にやらなあかんことになって、去年の10月にやった「らくだ」の録音テープを聴いたんです。もう下手で下手でね。ドラマは、こう言うては非常に失礼ですけど、自分の本業じゃないから、軽いスタンスでいけて、あとで見て「うまいことごまかしてるわ」とか思うんです。だけど、落語は聴き直すと「いらんこと言うてるなあ」「間が早いなあ」と思うんですよ。満足できんのです。
林:ご自分の本筋は落語だと思ってらっしゃるからですね。
鶴瓶:そうなんですね。
林:鶴瓶さんは、デビューなさってもう四十数年?
鶴瓶:ハタチでこの世界に入って、今年で50年。22(歳)で結婚したんです。
林:初恋の人と。
鶴瓶:大学で出会った人ですね。初恋の人です。
林:すごいですね。奥さんをチェンジすることもなく(笑)。
鶴瓶:僕、この世界に入るんやったら結婚でけへんわと思うてたんですよ。それでサラリーマンになると言ったら、「あなたの夢をこわしてまで結婚したくない」って言われて、そう言われたらこっちも意地ですから、絶対この人を幸せにしたい。だから彼女に結婚の覚悟を見せようと思って。2月14日、バレンタインの日に彼女を連れて師匠の家に行って、「この人と結婚したいんですけど、落語家にならしてください」と言って弟子入りしたんです。まだ大学行ってたんですけど。
林:へ~え。
鶴瓶:彼女は大学卒業して、四国の実家に帰って銀行に入ったんやけど、僕はこの世界に入って2年目から割と食えるようになって、たまたまプールで公開のラジオをやってたら、彼女が泳いでるんですよ。プールからあがって、その日、四国に帰るチケットをビリッと破って、「もう帰られへん」言うたんです。それで師匠の奥さんに相談したら、「家出してきたんやったらしゃあない。一緒に住みぃな」言うて、それで一緒に住み始めたんです。