子どもの「連れ去り」で警察は動くのか。写真はイメージ(PIXTA)
子どもの「連れ去り」で警察は動くのか。写真はイメージ(PIXTA)
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離婚話でもめていたある日、夫は5歳の子どもを自分の実家に連れて行ってしまいました。数カ月たっても子どもに会えず、とてもつらかったです」

 涙ながらに語るのは、神奈川県在住の長原映美さん(仮名・38歳)。

 夫婦仲が悪くなり、夫婦げんかになったある日、警察官の目の前で子どもを連れていかれたのだった。警察官立ち合いのもと、夫は3日後には子どもたちと再会させると約束したが、果たされなかった。

 数日後、映美さんは警察を訪ねた。警察が夫を説得して、家に帰してくれると思ったからだ。「夫も子どもも帰ってこない」と言うと、警察は驚いたようだったが、こう言った。

「民事不介入の原則があるので、残念ですが、あなたを助けることはできません」

 親子が同居している状態から、一方の親がもう1人の親の同意を得ずに子どもを連れて家を出ていく行為は珍しいことではない。子どもや配偶者へのDVから逃れる緊急避難的な措置ではなく、映美さんのような夫婦げんかの延長で、そうした行為に及ぶ「子どもの連れ去り」は、果たして“子の利益”にかなっているのかが親同士の紛争の原因になっている。一般的に、警察は家庭内で起こった紛争は「民事」だとして積極的に動くことはない。この原則があったから、映美さんのケースも警察は静観したと思われる。

 一方、連れ去りの結果、別居している状態から子どもを「連れ戻す」行為は、刑法224条で規定される「未成年者略取誘拐罪」に当たるとされ、連れ戻そうとした親が警察に逮捕されることが多い。

 子どもを連れ去られた(と自認している)親が警察に訴えても「民事不介入」として処理されてしまうのに、その親が子どもを連れ戻そうとすると逮捕される可能性が高いということは、特に「連れ去られた親」の当事者の間で問題視されてきた。それゆえ、「子どもの連れ去りの問題に関する質問主意書」が国会で提出されたこともある。

 そんな状況の中、ある国会議員のツイートが波紋を広げた。

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警察の判断には賛否両論が…