もちろん、震災直後は現地でボランティアだったり、物資を運ぶ手伝いとかやることはいっぱいあるけど、真の復興とは、ここからまだまだ長期戦ですからね。津波で甚大な被害にあった海岸線にも家が建ったりしていますが、更地で野原のままのところもある。地区ごとにそれは異なっているけど、そういう風に復興が進んでいるので、無理して「支えて見つめて行こう」のほうが、どうせ続かない。

「風化させない」「見つめ続ける」「支える」と言われても何していいかわからないじゃないですか。まず、自分が一番大切でいいと思うんですよ。だから、何度も言っているんですが、自分の遊びの中の選択肢に被災地を入れたらいいんじゃない? 実際に東北地方に遊びに行きたい人がいたら行けばいいんじゃない? それだけです。

 新たな魅力を発見するかもしれないし、逆に「やっぱ楽しくなかった」なら、それはそれでもいいと思う。自分の家の近所のスーパーマーケットで福島の農産物を「買ってみよう」というだけでもいいと思う。それは、全て自分のためだけど、自分のためにやっていることが間接的に他人のためにもなるという考えの下でいいと思うんですよね。

 毎年、新潟にスキーに行っている家族が「1回、福島に行ってみようか」でもいいし、箱根に温泉旅行をしている人がお金はちょっとかかちゃうかもしれにけれど「岩手の温泉めぐりをしてみよう」でもいい。「ハワイ行きたいけど、試しに福島のスパリゾートハワイアンズに行ってみる?」でもいいですよね(笑)。ホント、そんなことだと思うんですよ。

 3.11になると、僕もあまり賛同していない報道の仕方があって、「風化させない」などテレビ番組が特集を組むじゃないですか。正直、そんなに視聴率が取れないのに、ややもすると義務化じゃないですが報道される。「震災特集をやっておこうか」も、もちろん大事なんですが、やらないよりやったほうがいい。そういう番組に出演もしているから、どうなんだろうなとは思うけど、本音としては、いま話したように「そういうことじゃない」。語り継がれるためには、そうした報道があるのはいいけど、3.11だからって、その日だけ思い出すのではないのではとは思う。

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3.11の楽しい番組、やってくれないかな!