ロシアのウクライナ侵攻に抗議する集会やデモが全国各地で開かれている。3月21日には、東京都の代々木公園で反戦と反原発を訴える集会「ウクライナに平和を! 原発に手を出すな! 市民アクション」が開かれ、多くの参加者に向かい、作家の澤地久枝さんやルポライターの鎌田慧さん、文筆家の落合恵子さんらが声を上げた。
「待ってましたとばかりに、カーシェアリングのように核シェアリングを言い出す日本の元首相も現れた。ふざけるな、と怒鳴りたい」
壇上でこう怒りをあらわにしたのは落合恵子さん。ロシアのウクライナ侵攻以来、ずっと憂鬱(ゆううつ)だったといい、「女性や子供たち、障害のある人はどうしているんだろう。(ロシアとウクライナそれぞれが主張するのはどれが)事実かわからない中で、今日本にいる私たちは『戦争をやめろ』としか言えない」と訴えた。
鎌田慧さんも「ロシアは戦争を遂行するのか、あるいは核を使うのか? 極めて危険。人倫にもとる戦争を早くやめさせよう」と強く呼びかけた。
集会を呼びかけたのは、平和と反原発に取り組む「『さようなら原発』一千万署名 市民の会」と「戦争をさせない1000人委員会」の2団体。呼びかけに応じた市民グループ、労働組合など五十数団体や一般市民ら約2500人(主催者発表)が参加した。
「市民の会」は、2011年に内橋克人、大江健三郎、落合恵子、鎌田慧、坂本龍一、澤地久枝、瀬戸内寂聴、辻井喬、鶴見俊輔の各氏らでつくり、「戦争をさせない」は小山内美江子、倉本聰、佐高信、田中優子ら各氏らが発起人として14年に立ち上げた市民運動グループだ。
集会では、作家の澤地久枝さんが杖をつきながらステージに立つと、会場からどよめきが起きた。実は澤地さんは一昨年5月、自宅で転倒し、腰椎(ようつい)を骨折して以来、杖が離せないのだ。
「私は91歳になったんですね。ずいぶん長い人生を生きてきたと思います。でもこんなプラカードを掲げなければならい日が来るとは思わなかった。今日は来ずにはいられませんでした」