◆「分散」を考えて世界株式に投資

 具体的には、つみたてNISAの口座を開き、「全世界株式」を投資対象とするインデックス投信を選ぶのだ。ちなみに、世界の株式を投資対象とするものには「先進国株式」や「米国株式」「新興国株式」もある。

「株式だけを対象とすることに抵抗がある人は、株式だけでなく債券や不動産なども投資対象に加えた『バランス型』を選べばいい。預貯金が大半の人は、全世界株式かバランス型の2択でいいと思います」(風呂内さん)

 あとは気長に待つだけ。積み立て投資では、日ごろの相場変動に一喜一憂しないことがポイントだ。たとえ暴落しても、売ることは絶対にNGだ。投資の王道では相場が上下に変動するからこそ利益が出るからだ。

「ですから暴落したら、逆に買い増しが選択肢になります」(同)

 慣れてくれば、「過去にためてきた資産を積み立て投資に回すことも考えていい」とするのは、積み立て投資に詳しいFPの加藤博氏だ。

「今の50代以上が若いときは『財形』がブームでした。長年続けていて300万、400万ためている方も大勢います。今の財形は預貯金と同じでほとんど利息はつきませんから、例えばそれを積み立て投資に変えていくのです」

 といって、一度に金融商品を買ってしまう「一括投資」はご法度。

「月1回、数十万円ずつを10回から20回に分けて投資していくのです。積み立て投資になるように人為的に時間分散をするわけです」(加藤さん)

 加藤さんの手法は先の週刊朝日MOOKでも「“疑似”積み立て投資」として紹介されている。

 今回は触れなかったが、積み立て投資では、ほかに「個人型確定拠出年金(iDeCo)」もある。これも国の制度で手厚い税優遇が有名なので、二つを比較考量して投資法を決めてほしい。

 若い世代に学べば、10年、20年後に思わぬマネープレゼントが待っているかもしれない。(本誌・首藤由之)

週刊朝日  2022年4月8日号

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