けれど、こういうことをいうと被害者に対する「セカンドレイプ」などといわれる。被害者がどれほど勇気を持って告発したか。まず信じろと。アメリカにおいて性犯罪の通報のうち90~98%は真実というデータがあるらしい。
嘘をついたとは思わない。が、10%から2%のいきすぎた告発があったのではと考えてしまう。集団リンチを受け自殺した人も出ている。人権が大事とされる現代において、被害者が守られた上で、きちんとした検証がなされ、適切な制裁が下される、そんな社会が望ましい。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2022年4月15日号