※写真はイメージ(gettyimages)
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 株主発表会に商品発表……。ビジネスでも動画が多く使われるようになってきた。自分が発信する側になったとき、どうすれば人を惹きつけ、わかりやすく伝えられるのか。AERA 2022年4月11日号は、コミュニケーションのプロに聞いた。

【図】相手に効果的に伝えるポイントとは?

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 千人以上の経営者や企業幹部にコミュニケーションノウハウを指導し、「伝説の家庭教師」と呼ばれる岡本純子さんが挙げる動画発信時のポイントは次の五つだ。

【ヤッホーの法則】

 声のエネルギーとテンションを上げる癖をつける。本番では心の中で唱える。声の出方が違ってくる。

【2人の「あきら」 カネの法則】

 ジャーナリストの池上彰さんと「ジャパネットたかた」の高田明さんの話し方の共通点から。「です」「ます」と言い切らず、「でしょうか」「ですかね」を投げかける。聞き手を巻き込み一体感が増す。

「プレゼンの達人の必殺技。問いかけの黄金比は6対1です」

 動画配信プロジェクト「TEDトーク」の人気上位25本を分析したところ、「笑いをとる」「拍手や歓声を集めた」「問いかけが多い」の特徴があり、579の「?」に対し、ピリオド「。」は3910あった。

【そう・だ・わ】

「そうだね」「大丈夫」「わかるよ」を口癖にする。「寄り添ってくれている」「わかってくれている」という印象を与え、共感を得やすい。

【15文字程度】

 説明が長いと、肝心の言いたいことが伝わらない。「Yahoo!ニュースの見出しに合わせて、15文字程度に絞り込むことを目指すといいでしょう」

「ただいまご紹介にあずかりました◎◎です」「本日はお招きいただきありがとうございます」「僭越ながら……」などは、いずれもイケていないフレーズ典型例。不要な言葉が多すぎる。

【100万人より1人の顔】

 話す対象や中身の範囲を一段狭め、絞り込む。「100万人ではなく1人、体全体ではなくパーツ、全商品ではなく一押しの一品。絞り込むほど映像が浮かびやすく、説得力が増します」

 なるほど、理屈も方法もシンプルで、すぐに挑戦できそうだ。

 ところで、記者には気になる言葉癖がある。「えーと」「あのー」「まあ」。話す際、やたらと口をついて出てしまうのだ。

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