ティーは初めて会った時に、あまりに綺麗で誰も寄せ付けないようなオーラを感じたので、最初「絶対仲良くなれない」と思いました。本読みの時も一度も目が合わないし、「何もしてないのに嫌われてる!」と思っていました。でも、しつこく話しかけてみたら、ただのいいヤツでした(笑)。ティーが「私にこんなに話しかけてくる人は初めて」と言っていたんですけど、同じチームになったからには仲良くなった方が楽しいと思う。(吉岡)里帆ちゃんにも磯村(勇斗)にも、めっちゃ話しかけました。みんな怖いのかなと思ったんですけど、怖くなかった(笑)。それに、僕は話しかけずにはいられない性格なので、ひとりだけ喋っていると「あいつだけがうるさい」と思われてしまう。だからみんなにも喋(しゃべ)ってもらいたい(笑)。
――子役からスタートし、28歳でキャリアは27年。常に第一線で活躍してきた。演技にかけて世間の評価は「天才的」だ。だが、俳優という仕事は“楽しさ”が一番重要なのだという。
神木:芝居には答えがあるわけでもないし、俳優それぞれの想いや譲れない信念がある。僕もつらいこともあるし、緊張することもありますけど、結局「楽しかった」と思えたらいい。僕は力が入り過ぎてしまうと体も動かなくなってしまうので、ほどよく力が抜けたフラットな状態で臨むようにしています。みんなと話したり笑い合ったりするのも、その状態を作るためのひとつの方法なので、それは今後も貫いていけたらと思います。
他人になれる楽しさ
神木:ちゃんと空気を読んで黙る時もあります! ただ、昔「変身」というドラマでずっと怒っている役を演じたことがあって、相手役の二階堂ふみちゃんと「怒ってばかりで頭が痛くなってくるから、せめて本番前までは笑っていよう」と決めて、あえてふざけて本番に入ったことがあります。現場の「用意はい!」と「カット!」という掛け声が目印で、皆さんプロなのでそれで安心して本番に臨める。だからやっぱり、“いかに楽しむか”が大切なんだと思います。