原作・西村ゆか、作画・wako『だんな様はひろゆき』※Amazonで本の詳細を見る
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 付き合った当初の彼は、足元こそサンダルでしたが、デートにはシンプルな指輪やネックレスを合わせた小綺麗な格好で現れ、当時会社員だった私の仕事終わりに合わせてレストランで食事をしたり、旅先のお土産は私好みのアクセサリー、音楽好きな私がライブやフェスに行こうとすれば「一緒に行っていい?」とついて来たり……。
そんな彼と一緒にいて、私は「趣味や好みが似ていて楽だなぁ……」なんて思っていました。

 しかしそこから半年、1年と経つにつれ、徐々に外食デートの回数は減り、彼の服装はTシャツに毛玉のついたパーカーやトレーナー、旅行土産は機内のスリッパ、一緒に出かけようと誘う私への返答は「おいら家でゲームしてる」に変わっていきました。

 そこでようやく気がついたのです。

「あれ、ひょっとしてこの人、めちゃめちゃ頑張ってくれてただけじゃね?」と。

お土産にアクセサリーをくれた彼はいずこ?(『だんな様はひろゆき』より)
お土産にアクセサリーをくれた彼はいずこ?(『だんな様はひろゆき』より)

■価値観って違うと困る?

 最初は彼も好きでやっていると思っていたので、徐々に私の誘いを断り、変わっていく彼(頑張っていただけなので、実際は素に戻っているだけなのですが)を見て「前は一緒に行ってたのに……」と少し寂しい思いをし、それが理由で喧嘩になったこともぶっちゃけありました。

 でも、逆に自分が、家にいるのが好きな彼に合わせて外出をやめられるか?と考えると多分無理だし、また私は、彼の好きな物を自分も試してみようと思ったこともほとんどありません。

 性格を分析すると、彼は基本的にこだわりが無く人と違うことが気にならないタイプで、私は好き嫌いがはっきりしていて「これは自分には合わない」と敏感に感じてしまう方です。

 何度か揉め事を繰り返した後、「ひょっとして違いを気にしているのって、私なんじゃないの?」ということに気がつき「そもそも意見が違うと何が困るんだろう」と考えていくようになりました。

■共存のための共通認識を作る

 互いの相違を「それは共同生活する上でデメリットになるか?」という視点で考えるようになった結果、「考え方が違って嫌だな、ストレスだな」と感じることはあっても、「困るな」ということはほとんど無いことに気がつきました。

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夫婦やパートナーに限らず、共同生活をする上での共通認識は必要