担当者によると、1月ごろにロッテ球団に中継したい試合の希望を出し、球団と調整。開幕前の2月中には放映予定が固まるという。

 仮にNHKやキー局などと希望の試合が重なった場合、放送エリアの広いNHKやキー局が優先されるのが通例だ。

 また、シーズン開幕後、選手の記録達成などを理由に、番組編成を急きょ組み替えて中継することは、そう簡単ではない事情がある。

「例えばクライマックスシーズン(CS)であれば、出場を決めてから本拠地での試合までの日にちが開いているケースがあります。その場合、ロッテ球団に申請して再調整し、中継ができる可能性はあります。ただ、あくまで日にちが開いているから物理的にできるかもしれないという話に過ぎません。もともと放送予定だった番組のスポンサー様にご理解いただく必要があるなど、簡単には実現できません」(担当者)

 セ・パ両リーグとも、試合の先発投手を事前に発表する「予告先発制」を採用しているが、発表は試合前日で、局側に時間はない。そもそも、CSやスター選手の引退試合など、あらかじめ予定が決まっている「特別な一戦」と、注目選手が出場するが何が起きるかは分からない「シーズン中の一試合」では、状況がまったく違う。

 ネットでは「(中継について)後から言うのは誰でもできるよね。誰が予想した?この素晴らしい試合展開を」といった、局への批判をお門違いと受け取る意見も目立った。

 同局に直接寄せられた意見は5件ほどだといい、担当者も「より良い中継をこれからも心がけたいと考えていますが、(批判報道には)困惑しています」と心境を漏らす。

 都内に住む熱狂的巨人ファンの40代男性はこう話す。

「巨人戦にしたって、地上波で生中継が当たり前だった時代はとっくに過ぎていて、何で日テレは!なんていまさら文句は言いませんよ。どうしても見たい試合はCSチャンネルやネットの有料放送を利用すればいい。ネットなら外出先でも見られますからね」

 今やプロ野球中継を有料で楽しむサービスは多数あり、定額パックから、見たい試合だけにお金を払う形などさまざまな形態がある。

 この試合で何かが起きるかもしれない――そうピンと来たなら、自力で視聴する方法を探しておけば、佐々木朗の完全試合のような興奮を見逃すこともないだろう。(AERA dot.編集部・國府田英之)

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