古賀茂明氏
古賀茂明氏
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「過ちて改めざる是を過ちと謂う」「過ちては改むるに憚ること勿れ」

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 4月10日に新潟市内で開催された脱原発派のシンポジウムで、日本のエネルギー政策の過ちを認めてこれを大転換しようと訴える小泉純一郎元首相が引用した論語の言葉だ。

 しかし、日本政府の動きは小泉氏の願いとは真逆に向かっている。東京電力福島第一原発で証明されたとおり、日本の原発は非常に脆弱だ。あの時、ほとんどの国民は、「もう原発はいらない」と思った。しかし、自民党、経済産業省、大手電力会社などの原子力ムラは、その後も過ちを改めることはなかった。

 その間、彼らは、原発不要論の追い風となる再生可能エネルギーの普及を何とか遅らせようと、「再エネは高い」「再エネの供給不安定性は致命的欠陥だ」という説を流し続けた。世界で再エネが高いとか当てにならないと考えている先進国は、実は日本だけだ。そのせいで、太陽光や風力発電の分野では、世界で競争できる日本企業は皆無となった。

 日本はエネルギー政策の大転換をすぐに行うべきなのだが、今新潟県ではそれに逆行する事態が起きている。

 先日のウクライナのサポリージャ原発へのロシア軍の攻撃は、「欧州最大級の原発が危ない。欧州が終わる!」と世界を震撼させた。実は新潟の柏崎刈羽原発はサポリージャを上回り世界最大である。日本海に面し、ロシア、北朝鮮、中国から狙い放題で世界一危ないと言っても良い。戦争やテロ以外でも、中越沖地震の際には火災が発生、敷地内で地割れや陥没が多発したため、消火活動ができず危うく大惨事という経験もした。リスク管理体制が不十分で原子力規制委員会に大目玉を食らい、再稼働はとてもできない状況だが、これが動いてしまうかもしれないのだ。

 5月29日に新潟県知事選が行われる。現職の花角英世知事は、自民に加え公明党はもちろん、国民民主党、さらには連合新潟の支持まで受ける盤石の態勢だ。花角氏が選挙戦で原発について何を言うかわからないが、原発推進の自民とこれまた原発利権企業の組合に支配される連合、そして、その連合の原発候補を擁する国民民主が応援するから、彼が原発を止めることはあり得ない。

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連合に気兼ねして自主投票とした立憲民主党