初の外国訪問でブータンの学校を訪問/初の外国訪問で秋篠宮ご夫妻とブータンへ。ティンプーの学校を訪問。ボール渡し競技に参加した/19年8月20日
初の外国訪問でブータンの学校を訪問/初の外国訪問で秋篠宮ご夫妻とブータンへ。ティンプーの学校を訪問。ボール渡し競技に参加した/19年8月20日

<スポーツは何かできた方がよいと思います。また、ある程度つつましく、一方、聞かれた際には自分の考えをいえる人がよいと思います。語学もできた方がよいと思います>

 帰国途中、米国では「お妃の理想像」を問われ、こう述べた。

<プリンセスとしては、控えめであることは必要だと思いますが、自分自身の意見をしっかり持っていることが貴重だと思います。また外国語はできた方がいいと思います>

■“気さく”がデフォルト

 これは完全に雅子さまへの道だ。言い換えるなら、女性の自己主張を評価するようになったことで、雅子さまへの道が開けた。ジェンダー平等の先取りが、令和へとつながった。

 浩宮さまが繰り返し理想の女性について聞かれたのは、「将来天皇になる人の結婚は、国民的関心事」だということが前提だ。悠仁さまも20歳を過ぎれば、「理想の女性」を何度も聞かれることになるのだろうか。皇室を取り巻く環境は大きく変わっている。皇室に嫁ぐ女性のことを思うと、悠仁さまの苦難の道を思ってしまう。

中学卒業式に臨む悠仁さまと秋篠宮ご夫妻/お茶の水女子大付属中学校の卒業式に臨む秋篠宮ご夫妻と悠仁さま/22年3月17日
中学卒業式に臨む悠仁さまと秋篠宮ご夫妻/お茶の水女子大付属中学校の卒業式に臨む秋篠宮ご夫妻と悠仁さま/22年3月17日

 とはいえ、悠仁さまは高校生になったばかり。入学式当日は1人で記者団の前に立ち、「学業に励みながら、興味を持っていることや関心を持っていることを、さらに深めていきたいと思います」など、明日からの抱負を述べた。

 その後に女性記者が聞いたのが、「新しい制服はいかがですか?」。ところが、筑付には制服がない。悠仁さまの答えは「スーツ、スーツなんですけど」。

 これを受け、「悠仁さま高校生活スタート “ハプニング”にも気さくに」と報じたのは、FNNプライムオンライン。そう悠仁さまは、女性への対応も“気さく”がデフォ。共学育ちのなせる技。

 ぜひこのまま、気さくな高校生活を。密かに応援している。(コラムニスト・矢部万紀子

AERA 2022年4月25日号より抜粋

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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