お茶大付属中の入学式に臨む悠仁さまとご両親/お茶の水女子大学付属中学校の入学式に臨む秋篠宮ご夫妻と悠仁さま/2019年4月8日
お茶大付属中の入学式に臨む悠仁さまとご両親/お茶の水女子大学付属中学校の入学式に臨む秋篠宮ご夫妻と悠仁さま/2019年4月8日

 秋篠宮家の長男・悠仁さまが学習院以外高校に入学した。皇族として戦後初となる学習院以外の共学高校への進学は未来の結婚相手の理想像に影響するのか。AERA2022年4月25日号から。

【写真】初の外国訪問でブータンの学校を訪問した悠仁さま

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 かつて「男女共学」を話題にした方がいる。天皇陛下だ。

 1980年2月、20歳の誕生日を迎えるにあたっての記者会見で、浩宮さま(現在の天皇陛下)は、こう述べている。

<ぼくの場合、幼稚園とそれから初等科は男女共学だったんですけれども、それからあと中学、高校はまったく男だけの中で育って、(略)大学に入って、また共学になって一種の新鮮さっていうものをちょっと感じている段階なんですけれども>

 なぜ、こういう話になったのかというと、「宮様の理想とする女性というのは、どんなタイプなのか」と記者が聞いたのだ。先ほどの答えに続けて、女子学生とのつきあいに最近は少しずつ慣れてきたと述べた浩宮さま。最後にこう述べた。<ですから、まあ、理想像っていうのは徐々に徐々にできてくるんじゃないかなと思います>

 以後、浩宮さまは会見のたびに「理想の女性像」を尋ねられる。82年、大学卒業に際しての会見では、こう答えた。

<明るくて、健康的で、スポーツが好きな人がいいです。付け加えれば、料理が上手な人がいいですね>

 初々しいと形容したいような女性像。だが、ある時から変わっていく。きっかけは83年、英国・オックスフォード大への留学だった。1学期を終えた際にはロンドンで会見を開いた。そこでオックスフォードの女子学生について聞かれ、こう述べた。

<自分の意見をはっきりいいます。それに、服装が日本に比べて非常に地味だと思います>

 84年には一時帰国、その時の会見でも、英国やヨーロッパの女性が「非常に自分の意見をはっきりいう」と述べる。85年2月、25歳を前にしての会見では、日本とイギリスの女子学生を比較して、<こちらの女性は自己主張がはっきりしています。(略)話をしていて面白いのは英国の女性ですね>。

 同年10月、帰国を前にした会見では、「結婚相手の理想像」をこう述べる。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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