そしてプロ10年目の今シーズン、ブルージェイズに移籍した加藤は春季キャンプで結果を残して開幕ロースター入りを果たす。4月9日には代走でメジャーデビューを飾り、27日にはキャリア初安打となる二塁打を放った。だが、その後はDFAやメッツへの移籍など、自身の立ち位置が定まらない状態が続いている。マイナーではしっかりと実力を示してはいるが、今後も米国でプレーするとなれば、メジャー定着へは厳しい状況が続くと予想される。

「プロ入り前からの本職セカンドに加え、ショート、サード、ファーストを守ることができる。足も速いので外野手もできるはず。打撃も期待できるユーティリティ選手なので今後も需要は間違いなくあるでしょう。ただ今のままではジャーニーマンとして毎年のように球団を移る可能性が高い。27歳という脂が乗る年齢、野球人生で本人が何を望んでプレーするかが今後のキャリアの決断に影響を与えるでしょう」(MLBアジア地区担当スカウト)

「年齢的には米国でさらにレベルアップできる伸び代はある。しかし余程飛び抜けた結果を出さないと今後も同じような起用、契約になるでしょう。これからの野球人生、自身のルーツが日本にあること、経済面などを客観的に考えると日本球界入りの可能性も否定できない」(在米スポーツライター)

 日本球界を経由せずメジャーリーグでプレーした加藤の場合、NPBのチームに入団するためにはドラフトで指名される必要がある。過去にはオリックスでプレーしたマック鈴木が同様のルートでNPB入りしたが、実際に加藤が日本球界入りを希望した場合、“需要”はあるのだろうか。

「パンチ力のある打撃と俊足を持ち合わせた攻撃的な選手。投高打低になりつつあるNPBでは、どの球団も欲しいタイプです。守れるポジションも多いのでチームプランに左右されず常時試合出場も見込める。NPB挑戦を決断したとなれば、手を挙げる球団は多いかもしれません」(在京球団編成担当)

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