5月9日に第2次世界大戦の戦勝記念式典に姿を見せたロシアのプーチン大統領(Getty Images)
5月9日に第2次世界大戦の戦勝記念式典に姿を見せたロシアのプーチン大統領(Getty Images)
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 ロシア政府を支える富豪である「オリガルヒ」の不審死が相次いでいる。

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 モスクワで40店舗以上のレストランを経営するウラジーミル・リャキシェフ氏が5月1日に自宅で死亡しているのが発見されたと、地元紙が報じた。ベランダで頭を撃たれており、脇には猟銃があったという。

 オリガルヒの不審死は今年に入って少なくとも7件目。4月18日には大手銀行ガスプロムバンクの元副社長がモスクワで、19日には大手天然ガス会社ノバテクの元副会長がスペインのリゾート地で、それぞれ家族と一緒に死亡しているのが発見された。自殺説も報じられるが真相は不明。ロシアでは野党政治家やジャーナリストへの暗殺疑惑は枚挙にいとまがない。国際ジャーナリストの春名幹男氏はこう話す。

「2006年に元スパイのリトビネンコ氏を亡命先のイギリスで毒殺したとされているように、プーチン大統領は自分が問題だと判断した人物は国外にいても殺しかねない。今回の不審死もロシア当局が関係している可能性が考えられます。ソ連崩壊のどさくさに紛れて資産を築いたオリガルヒは恨みを買いやすく、特に国有企業の民営化を進めたエリツィン時代のオリガルヒたちは、プーチンにとっては信用できない存在なのです」

 オリガルヒたちは「プーチンの財布」とも言うべき存在でもある。租税回避地の実態を暴いた16年のパナマ文書では、プーチン氏の長女の名付け親で著名なチェリストのセルゲイ・ロルドゥーギン氏の名前も含まれており、プーチン氏の周辺で20億ドル(2千億円余)のカネが動いていたことが明らかとなった。

 その一方で、プーチン氏は国外への資産流出を警戒しており、国営企業の幹部に対し外国の金融機関口座や外国企業の株式の保有を禁じている。だが、そんな中でもオリガルヒたちが財産を移動させている実態をICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)が「ロシア・アーカイブ」として公表した。租税回避地の秘密電子ファイルを分析した上智大学の奥山俊宏教授はこう語る。

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