仮に私が「1日で登録100万人以上のYouTuberになりたいです!」と相談されたとしたら、「アイドルグループの嵐になる」か「登録100万人以上のチャンネルのオーナーになる」と答えます。嵐のように知名度が高い人やグループの場合、開設から1日で100万人を達成することも可能です。実際に、嵐は公式チャンネルを開設後、28時間ほどで登録者数100万人を突破しています(日本での最速記録です)。
【写真】「日本一のYouTuberになる」と公言していたYouTuber
YouTubeではありませんが、人気漫画「HUNTER×HUNTER」の作者である冨樫義博先生が、Twitterでアカウントを開設し、1日でフォロワー130万人を突破したことが話題になりました。原稿の進捗状況とみられる画像付きの投稿をしていて、フォロワー数は180万人を超えています。このように、もともと人気やファンを持つコンテンツホルダーであれば、YouTubeでも1日で登録者数100万人を超えることもできるでしょう。しかし一般人にとっては不可能な道筋です。そこでもう一つの答え、「すでに登録100万人を超えているチャンネルのオーナーになる」です。
米国のYouTuber、Adam Dahlberg(アダム・ダールバーグ)さんが、自身のチャンネル「Sky Does Everything」を売却しようとしていることが話題になっています。彼のチャンネルは登録者数が1120万人で、先月からソーシャルメディアアカウントの売買サイトである「Fram Swap」に掲載されているそうです。サイトではチャンネル名が一部隠されていますが、登録者数の多さから彼のアカウントであることが明白です。彼のチャンネルを購入した場合、一気にヒカキンさんよりも多くの登録者数を抱えるチャンネルのオーナーになれます。販売価格は1億1500万円とされています。ここで、彼のチャンネルに、果たして1億円以上の価値があるのかという疑問が生じます。
「YouTubeのチャンネルの価値」について、不動産鑑定士のように明確に適正価格を算出する人や機関は、現在のところありません。しかしながら、不動産やWebサイトの売買の事例と同様に考えれば、YouTubeのチャンネルの価格の根拠となるのは、収益性だと考えられます。「Sky Does Everything」は、2018年に人気ゲームのマインクラフト関連の動画を全て削除しています。その後から人気が低迷し、投稿もストップしています。チャンネルの月間再生回数は60万回程度、広告収益は年間で250万円程度と算出されています。このチャンネルの場合、広告収益以外の収益が期待できないため、仮にもし値段をつけるとしたら、3年程度の見込み広告収益として750~1000万円が妥当なのではないか、と考えます。