この記事の写真をすべて見る 国や自治体は、マスク着用が推奨される場面や年齢、会食する人数などを緩和しつつある。夏に向けて対策はどうなるのか。AERA 2022年6月6日号から。
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新型コロナウイルスの感染者数の減少傾向を受け、政府は5月23日、2歳以上の未就学児に推奨していたマスク着用を一律に求めない、小学生以上が屋外で他人と2メートル以上の距離が保てなくても会話がなければ着用の必要はないなど、「基本的対処方針」を変更した。
幼児のマスクなどについての変更は評価できます。しかし、今、実施されている感染対策には、もっと緩和できる、あるいは逆効果なので見直した方がいい対策もいろいろあります。
■理にかなった対策を
感染対策は感染源と感染経路を踏まえて考えることが大切です。主な感染源は、大声で話したりくしゃみをしたりした時に飛び散る飛沫や、より小さなエアロゾルに含まれているウイルスです。それが口や目、鼻から体内に入ることで感染する可能性が生じます。
ただし、多くの人がワクチンを打っている今、免疫の抑制された状態にあるなど一部の人を除いて、ごくわずかな量のウイルスが体内に入ってきたからといって、それで即、感染が成立するわけではありません。
換気のあまりよくない屋内で至近距離でマスクをはずし一定の時間おしゃべりをしたり、歌ったりすれば、相当量の飛沫やエアロゾルを吸い込み、感染するリスクはあります。
一方、屋外では大気が動いているので、飛沫やエアロゾルは拡散されていきます。ですので、マスクは基本的には必要ないと考えられます。もちろん、屋外にいるとはいえ、同じメンバーで長時間バーベキューをしたり、路上飲みをしたりすれば、感染するかもしれません。
接触感染は、飛沫やエアロゾルの付着したテーブルなどを手で触り、手で目や鼻、口を触ることで起きます。ですが、テーブルなどを少し触っただけで手に大量のウイルスが付着するとは考えにくい。目や鼻、口を触る前に手指をしっかり洗う、あるいはアルコール消毒するという心がけは大切ですが、料理を取り分ける際は手袋をする、学校や店舗でテーブルなどを何度も何度も拭く、といった必要はないと思います。