■サブスクなのになぜか買い取り

 だめじゃん!……とツッコミかけて、思い直した。実は新しい物好きの中高年である自分(筆者)も、彼女に負けず劣らずの多重サブスクユーザーだ。動画配信サービス一式に加え、自分に合った服を、決まった回数貸してくれる服のサブスクやバッグ、家具も、登録経験があったり、今なお契約中だったり。

 しかも「物より思い出」ならぬ、「思い出より物」の物欲世代だけに始末が悪い。例えば服のサブスクは返すのが惜しくなっていちいち買い取りして、ぜんぜんサブスクになっていないんですけど。前出の女性も言う。

「音楽もコンテンツも洋服も、所有しないで循環させるという発想は、いかにもSDGsで今風。私だって、本当に欲しいものだけを厳選して所有する白洲正子みたいな人になりたいです。でも自分は、サブスク地獄の中をずるずると、穴の開いた財布から小銭をチャリンチャリンと落としながら歩いているような気がしています」

 というわけで、“疲れない”利用法を、サブスクに詳しいファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに教えてもらった。

 まず家計には、大きく分けて2種類。家賃や光熱費のように毎月ほぼ同じ額がかかる固定費と、月によって額が動く食費などの変動費があるという。家計を改善する相談を受けたとき、まず削減を考えるのが固定費のほうだ。

「サブスクはこの固定費にあたり、本当なら家計を改善しようとするときに真っ先に削減すべきもの。とはいえ条件によっては、家計改善にプラスに働くサブスクもある。これを見極めることが大切ですね」

 風呂内さんが挙げてくれた、サブスクで元が取れる可能性がある条件は三つ。このうちひとつでも条件が合えば、サブスクサービスを検討して損はないという。

 まずはヘビーユーザーであること。例えばコーヒーのサブスクや動画配信サービスなど、人並み外れて好きなものならば、元は取りやすいという。

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