2年前のドラマ版が話題になった「極主夫道 ザ・シネマ」(6月3日公開)に出演する玉木宏さん。作家・林真理子さんとは3回目のご対談です。玉木さんと同じ誕生日で、仲も良いという俳優・吉田鋼太郎さんのお話で大盛り上がりでした。
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林:監督(瑠東東一郎)さんは、ドラマのときと同じ方ですか。
玉木:はい、そうです。
林:じゃあ、ツーカーで何でもわかってらっしゃるんですね。
玉木:そうですね。どういうものを求めているかもわかります。現場を率先して明るくしてくれる方で、監督が誰よりもいちばん最初に笑うし、笑ってくれればオッケーなんだろう、という気持ちでやってましたね。
林:カーチェイスもあるし、見どころがいっぱい。そして最後の盆踊りが秀逸で。
玉木:あの場面はなかなかシュールでした(笑)。
林:また、特別出演の吉田鋼太郎さんが、イタリアマフィアに傾倒して変なイタリア語をいっぱい使う地上げ屋の親分の役をなさってますよね。吉田さんってシェークスピアをやる人だから、一つひとつシェークスピア劇のジェスチャーと口調で極道をやって、なんともおかしいですよね。
玉木:こんな人いないだろうと思うんですけど、なぜか説得力があるというか、不思議な矛盾が存在している人だなと思います(笑)。
林:ああいう自由自在におもしろがってなさる方と組むのも大変なんじゃないですか。
玉木:お芝居の中で攻めてきてくださるので、受けとしても受けやすいですし、盛り上げるところはドカ~ンと盛り上げてくださって。非常に助けられました。
林:吉田さんとは仲良しなんですか。
玉木:鋼太郎さんとは、2010年に菅野美穂ちゃんとやった「ギルティ 悪魔と契約した女」というドラマでご一緒しました。鋼太郎さんにとってはそれが民放の連ドラの初レギュラーで、しかも誕生日も僕と一緒だったので、仲良くなったんです。
林:そうなんですか。
玉木:そのあと会わない時間があったんですけど、つい最近はCMや「桜の塔」(21年)というドラマでもご一緒して、さらにこの映画があったので、またご縁が復活したような感じで、仲良くさせていただいています。