林:今回、玉木さんにしてはみんなが驚くような異色の役ですが、ご本人は楽しく演じられたんですか。
玉木:いつもどおり、他の作品と変わりないテンションで臨んでいました。もともと「ウォーターボーイズ」(01年)とか、わりと三枚目的なコメディー要素の多い作品が多かったので。
林:6年前、「あさが来た」(15年度下半期)のときもゲストで来ていただきましたけど、私は新次郎さん(ヒロインの夫)が大好きで、子役の子を優しく見守るいい男性でしたよね。それが今度は元極道の役で、まあ玉木さん、幅が広いなと思いましたよ。
玉木:ハハハハ。
林:でも、イヤな役ってやったことあります? 殺人者の役とか。
玉木:たまにあります。ゲスト出演したときの、嵐の大野智君が主演のドラマ「鍵のかかった部屋」(12年)の最終回に犯罪者の役を……。
林:ああ、思い出しました。
玉木:そういう意味では少ないですね、悪い人を演じるというのは。
林:玉木さんはそのときどきでブームになるような役をなさいますけど、それを引きずるのはイヤですか。違う自分を見てほしいという感じで。
玉木:もちろんそうですね。ヒット作にめぐりあえるのはすごく幸せなことですけど、年齢も時代も変わっていくし、そこに固執してしまったら、たぶん先に進めなくなってしまうと思います。
林:そうですよね。
玉木:日々生きていく中で、みなさんに新しいと思ってもらえるような作品に出会うために頑張る、ということですね。
林:なるほど。じゃあ、「のだめカンタービレ」(06年)で王子様キャラができちゃったのは、ちょっと不本意ですか。
玉木:それも役を通してのパブリックイメージだと思うので、本来の僕自身とは違います。でも、いまだに言われたりする作品は、やっぱりすごいなと思います。
林:実は私、ヒロインをやった上野樹里さんとはかすかな交流があるんですよ。
玉木:そうですか。和田明日香さん(上野さんの夫・和田唱さんの義妹)は、今回の映画には出てないんですが、ドラマのときには料理の先生として出られていたんです。