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 YouTuberのシバターさんが、自らを”オワコン”と名乗りつつ収益を公開しました。YouTubeの広告収益は、全盛期は月に1000万円を超えていたそうですが、現在では人気も落ち着き、2つのチャンネルを合わせて月に138万円だそうです。5月はパチンコ関連や商品紹介などの企業案件を11本投稿し、その報酬が280万円で、広告収益と合わせると418万円。そこから、動画制作や家賃の費用が138万円ほどかかり、利益としては280万円が残るそうです。

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 シバターさんは自らを”オワコン”と名乗っていますが、彼は非常に手堅くチャンネルを運営しています。彼がチャンネルを開設したのは、2013年の9月です。アカウント開設から9年弱がたっても、YouTuberとして稼ぎ続けていることが、その実力を示しています。YouTuberとして人気になることも大変ですが、実は、そこから長く稼ぎ続けることの方が難しいのです。チャンネルを開設してから9年がたっても、月に約300万円の利益が残るということは、シバターさんはYouTuberとして非常に優秀だと思います。

 YouTuberとして人気になっても、1~2年で飽きられて消えてしまう人々も少なくありません。いわゆる一発屋のようなもので、「自分たちがなぜ人気になったのか」「どうして動画がウケたのか」を分析して理解することができないことが主な原因だと考えられます。人気になってから1~2年を乗り越えても、さらに3~5年たつと、視聴者層の変化が起こります。視聴者の年齢や生活環境や世論が変わること、演者の年齢が上がるなどの変化が起こります。常に新しい情報を得ていること、今人気の動画を研究し自分のチャンネルに取り入れることなど、人気を保つためには努力や試行錯誤が大切になります。

 最近、オワコンとして話題になったのは、「オワコンボーイズ」こと「禁断ボーイズ」です。数年前に一世を風靡し、チャンネル登録者数は180万人を超えましたが人気は低迷し、月収1万4000円まで落ちてしまったそうです。現在も、彼らは解散の危機に陥っています。一方で、同じ時期に人気を集めたヒカルさんは現在も、その人気を維持しています。

 ヒカルさんは動画の企画に変化をもたらし、数年前と視聴者層を変化させています。この変化が重要で、いつまでも同じような企画をしていると飽きられたり時代と合わなくなったりしてオワコン化してしまうのです。人気のYouTuberは常に視聴者を意識して企画を考えます。人気のラーメン店が気温や天気や時代に合わせて味を変えているにもかかわらず、常連の人々が「いつも変わらない味」と認識するように、視聴者にはわかりにくい変化かもしれません。長く人気を保てるYouTuberは、自分の動画や企画を変化させて、時代に適応しています。

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